EMIRI MOROKA -HEART MATRIX-

師岡絵美里のブログです♪


2015年12月13日日曜日

ヴィカルパ(妄想・錯覚)からの考察




YS-I-5
 「心の作用には五種類あり、それらは、苦痛に満ちたもの、あるいは苦痛なきものである。」



YS-I-6
 「それらは、正知、誤解、ことばによる錯覚、睡眠、そして記憶である。」




ヨーガスートラ第一章の最初にでてきます。


「ことばによる錯覚」は「ヴィカルパ」と言いますが、

妄想、とも呼べます。


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先日、インストラクターさん向けのヨーガスートラの講習でこの節をとりあげました。

自分の思考がどういった「機能」を持ち、どういった「原理」で働いているかを理解するのがヨーガスートラ第一章の醍醐味です。

ここを通らないでむやみに「ヨーガの八支則」ばかりをやろうやろうと追いかけても、うまくいかないんです。

動機がわかっていないのに規則だけを全うしようとしてもうまくいかないからです。

ヨーガやってるなら八支則守ろうね、

だけじゃだめなわけです。

だって大人ですから。
理由を知っている実践と、ただ言われたから従うのでは、経験の質も作用も違います。

というわけで私はけっこういつも第一章をはりきって解説してしまう方ですね(笑)

同じく第2章の「八支則に入る手前まで」のところを取り上げる事も多い。
じれったい?(笑)

「有名なヨーガの八支則」の話を早く聞きたいという人も多いとは思いますが、“原理”をすっとばして“規則”だけを教えるなんてそんな大味なことしたくないのです。


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ヴィカルパ」に戻りましょう。

妄想。

言葉によって概念化された空想。


ヴィカルパ」の直接的な解説じゃないですが、先日のそのレクチャーではこんな話に。

なぜ「妄想」には思いを引きつける力があるありのか、あたりの話をしてました。みんな妄想好きですもんね(笑)

そんな中でも、「悲しい」とか「苦しい」などの妄想に感情移入してしまうあたりを、話ておりました。



例えばですが


“悲しいこと”(悲しい状況設定など)

とか

“辛い気持ち”(辛い状況設定など)


などを空想して、長いことそれに浸ってしまうことって往々にしてある事でしょう。

それはある種、そういった空想・妄想は心の作用として

「刺激的で気持ちがいい」

からです。


えええ〜〜〜?

って思うかな。ははは。

悲しい方に考えている浸ったり、苦しい方を考えてしまいぎゅうぎゅうな思いをしたり、

”気持ちよくなんかないよ!”

と言われそうですが、

強い感情の動きが刺激を与えてくれて、交感神経が高ぶって気持ちがいいのです。
だから長くそれを考えていられます。感情体験としてインパクトが大きいので吸着力も高し。


逆に。
一般的にですが、「平和」なイメージとか「調和」のイメージというのは、想像はできても、あんまり長くそのヴィジョンに留まっていられないのではないでしょうか。

何かの拍子にすぐに、

「いやなことを考える」

という方にスイッチしてしまうと思います。

それは、平和的・調和的なイメージにはストーリーとしてのアップダウンが少なくて「興奮するような刺激」が少ないから、とも言えます。

「悲しい」とか「辛い」などを空想していると、五感がフル稼働で刺激され、興奮できて、快楽スイッチが押されて気持ちがいいのです。

表層のマインドは「辛い、悲しい」=「不快」と感じているかもしれないですが、エネルギーとしての本質まで戻ってしまうと、「快」と「不快」というのはどっちも「体験のリアリティを大きくしてくれるもの」という意味で大差ないのです。

快も不快も、好きも嫌いも、

エネルギーの大きさやインパクト、影響力がともに大きいだけで、経験としての「優劣」は本来ないんです。

快も不快も、ただ刺激的なだけです。
大嫌いだったものがある日大好きになったりします。
もともと紙一重なのでひっくり返るのもけっこう簡単。


「調和」や「平和」という波動は、「好き嫌い」が関与しない意識レベルです。

なので、普段の考え方の基準や日常生活での思考パターンが「好き嫌い」に依っている人にとっては、「調和・平和」などのヴィジョンというものはまったく「刺激に欠ける」のですね。なので長くそのイメージに留まれません。

つい、味が濃い、刺激の強い方に行こうとします。

食べ物飲み物や嗜好品への感覚と似てますね。


でもね。

心身が浄化されていくにつれて、自分を満たすものは「感覚機能」で感じることだけではない、ということがリアルになってくると、
刺激性の空想に頼る事がだんだんなくなってきます。

意識レベルが上がって来ると、「興奮」に頼らない調和的なイメージの中に長く留まる事ができます。

そのために日常生活でできることは、平和の波動を“自分から出す”ということを続けて行く事だと思います。

単に人当たりのいい作り笑いとか、場の空気を読んで穏便に運ばせる、
とかじゃなくて、

”みんな仲良し〜”とかそういうことじゃなくて、

何がどうでも、自分自身の中の愛に自己を置いておくこと、だと思います。




師岡絵美里のヨーガ哲学ティーチャーズトレーニング


■日程:2016年 平日コース・初級
2月10日(水)9:10〜15:00 
2月17日(水)9:10〜15:00
2月24日(水)9:10〜12:00

プログラムの内容など詳しくはサイトをご覧ください。
お申し込みも以下のURL内にございます。

http://www.heartmatrix555.com/home/師岡絵美里のヨーガ哲学ティーチャーズトレーニング/





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