EMIRI MOROKA -HEART MATRIX-

師岡絵美里のブログです♪


2019年7月28日日曜日

ヨーガの歴史からわかるパラダイム変換期

歴史を紐解いてみると、人間の意識の変遷の歴史というのは、2000年くらいで思想を大きくシフトしているのがわかります。




私が携わっている古代インド史もそうで、
かのインダス文明の時代から、移民族の流入(アーリア人の大移動)、そしてバラモン教支配社会のスタート、ここまでにだいたいですが2000年から1500年くらいを費やしています。



そしてさらに1500年から2000年くらい経つと、新しい宗教的思想やそこからの哲学の誕生、ブッダを代表とする「覚者」の登場などが起こります。
こういった変遷をみてみると、それまでの2000年間で採用してきた思想が機能しなくなって来たんだなあというのがわかります



今から約2000年~2500年前、インドの地では、それまでのバラモンによる宗教的祭式(儀式)中心主義から、新たに「真理探究」の大きなムーブメントが起き、現代のヨーガにもつながる「哲学」が完成を見せてきました。また同じ頃、同じ地で、ブッダが誕生しその後の仏教のもとになる教えを説きました
2000年前のインドではまさに、真理探究の大輪が各地で大きく開いていった哲学黄金期なわけです




そういった動きというのは、ある日急に「すごい人」が現れて、新しい考え方がポッと発生したわけではなく、その背景にはその時代の人々の心のニーズがあって生まれてきます



ブッダだってもともとは王族のおぼっちゃま。しかし当時の時代背景の中で彼は、真理を求める「最初の渇望」があったからこそ、ブッダ(覚者)になるきっかけを得たわけです。

もちろん生まれたときからなんらかの素養はあったと思います。しかし、当時の社会やそこに生きることの「憂い」が、彼の背中を押し、出家させ、旅をさせ、苦行、気づき、そして目覚めへと運ばれました。そしてそんな彼が悟ったものは、現代でも人々の心を救済し続けています。




ヨーガの哲学もそうです。最初から完成したものがあって、それが文字なり本なりになってる、なんてゆるい話ではなく、当時の時代を生きた人々が人生の苦悩や真理への渇望の中で懸命に、生命とは、宇宙とは、人間とは、ということを長い長い年月かけて探究されたものが、最終的にヨーガ理論およびヨーガ哲学へとまとまってきたのですね



そういった歴史の流れを見ると、2000年前やさらに遡って4000年前などの歴史の動きには、あたりまえではありますが「意識の変換」があります。


2000年というのはどうやら、人々が「それまで信じていたもの」や「それまでは機能していた仕組み」が通用しなくなる、というタイミングなのですね。



さあ、そんなインド哲学誕生や、ブッダの誕生、そしてキリスト誕生など、まさに「魂の救済黄金期」から、今2000年とちょっと経ったことになります。




今は、新しいパラダイム(認識)、新しい社会システムに、どうしたって変わろうとするバイオリズムの上にいることがわかります。こういった時代の周期で、俯瞰してみると、今は変革や変換の時期なんですね。




とは言っていも、それが数年で急に変わるわけではなく、100年とか200年とか、もっと長いかもしれないですが、移行期間としての時間が必要です。






また、物事が変換するときというのは、原動力が必要で、昨今の世界動きや日本の動きをみていると、その原動力がいろんなところで力を盛り上がって芽を出してきているように見えます。

ここで注意なのは、芽吹きのとき、芽は一生懸命その生命力で土の中から出ます。

そのときに、土の中にあった「他諸々」も一緒に出てきます。



イエスキリストが生まれた時代。彼が真理を説こうが、奇跡的なことをしようが、彼を迫害するパワーも同時に生まれました。

ブッダが生きたころ、彼の説く真理を慕って多くの人々が帰依し、救われながらも、
ブッダを殺そうとした輩もたくさんいました。

新しいムーブメントが起きるとき、なにかが生まれるとき、
同時にそれに反するような「別のもの」もおびただしく生まれます。




世の中が、よくなっていけばいいな。

と切に願います。
願うだけではなく自分もなにかしよう、と思います。
そしてそんな思い(ニーズ)を受け止めて生まれてくれたような「動き」も、昨今たくさんみることが出来ますし、希望を感じる動きが台頭しています。



ですが、それと同時に生まれる、その他の反発的なエネルギーや、一緒にくっついて掘り起こされる別の種類のエネルギーたち。それらにも目を向けている必要があると思います。





「千と千尋の神隠し」の「せん」が、湯屋に来たオクサレ様(実は”河の神様”)の入浴を手伝いますね。

で、オクサレ様の体に引っ掛かってしまっている「何か」を引っこ抜こうとした時、まず出て来たのが、川に捨てられた大量のゴミやら自転車やらの廃棄物が、どばーーーーーーーっと。
そして最後それがぽんと抜けると、「本来の姿」が現われました。





世の中の動きにしても、個人の心の変化にしても同じことで、何か「変わろう」とする時、その動きの流れに乗って「いろんなもの」がたくさん出て来ます。



しかしそういった動きや存在がもし自分の思う理想と違っても、それらを敵視するということではなく、思ってもみなかったような淀みが出て来たり、なんか予想外に反対勢力が出て来ちゃったりしても、それも「自然な流れ」のひとつだと認識すべきなんですよね。


まず、「なにが起こっているのか」を把握するのが大事で、自分とは異なる種類のものを感情を振り回して対抗するのだけは避けないと。それやってしまうと、自分が持っていた純粋な理念や希望が汚れてしまいます。



何かが動けば、いっしょにいろいろ出てくる。
これは物理的な法則なんでしょうね。


そのような目線でみて見ると、現在地球上で起こっている様々な現象の中には、「混乱」と見えるようなことはたくさんあると思うのですが、それも含めて、

未来に向かった「何か重要なもの」が抽出されつつある動きなのかもしれない

と思うと、実態が把握しやすくなると思います。
感情的にならずに。
そして、個人にしても世の中にしても色々な動きはあるけれど、その背景にあるひとつの原理やテーマが見えて来ます。





またそんな話を、もう少し具体的にしたいなと思っています。






なにはともあれ、「歴史」を学ぶことは重要です。

それは今を知り、未来をみつめることになります。



というわけで最後は宣伝になってしまいますが、ヨーガ哲学の講座やオンラインコースでも、ヨーガの歴史を伝えるようにしています。興味のある方はぜひ講座で会いましょう。自分と自分を取り巻く世界の動きが、歴史を通じてクリアに見えるようになってきます。




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ナマステ
 EMIRI

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