ヨーガ哲学の教えの中の超重要項目として「アヒンサー」というものがあります。非暴力・不殺生などと訳されます。他者への暴力的行為や、その発想自体を禁じています。
一般的にですが、目に見えてわかりやすい暴力ならば、そこまでいく前に自制が効いて行為に起こすまでは至らない場合もありますね。 「これはまずいだろ・・」と自分でも思うでしょうから、そういうわかりやすいレベルのものは自戒が起こると思います。(一般的な精神でしたら。)
しかし無意識に人を傷つけてしまうこともあるだろうし、また暴力だと思わないでやってしまっていることもあるわけです。
そこに気づくには、自分の見識を整えたり、心というものを常に見張っている冷静さが必要になりますね。
また、わかっていてもふるってしまうものもあると思います。
イライラして人に当たったり、外では人に優しくても相手が家族など近しい人になると、不満をそのまま露骨にぶつけてしまったり。
覚えておきたいのは、冷静さを失ったり自分しか見えていない状態になると、人は自分の思いや行為を正当化しようとします。
「怒っている時」というのは、どんな要素であっても「自分を正当化するための材料」にできてしまう勢いがあり、怒るのは当然であるという偏った思考に支配されている場合がほとんどです。そして相手にダメージを与えることに疑いのない心理状態になります。
こうなると、相手にダメージを与えたり、なんらかの納得がいく結果を結ぶまではなかなか落ち着かなかったりしますね。
そして目に見えている現象のほとんどが不満に見えてきます。
アヒンサーを実行するうえでの考え方で、よく紹介するのが以下の提案です。
「不満を解消するために他人を使わない」
不満が心の中にあったとしても、その不満を晴らすために他人をコントロールしたり、他人でうさ晴らしをしない。
テレビやインターネットを観て、その中にいる人に文句や誹謗をあたえるのも、(本人に届いてはいなかったとしても)自分のエネルギーを暴力的に使っていることであり、そういうあり方は実際に関わる人にも向けてしまいがちなので、おおいに気をつけたいところです。
解決を見出す努力や、調和的な心を持とうとせずに不満や誹謗だけをぶつけるのは、自分自身が怠惰な心のサイクルにいるのだと気づくことが大事だと感じます。
怒っても、なげやりにぶつけても、けして幸福にはならないということを認める必要がありますよね。
「不満を解消するために他人を使わない」
これ、ちょっとトイレの壁とか冷蔵庫とかに貼っておくといいかも(笑)。
アヒンサーでした。
ナマステ
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