EMIRI MOROKA -HEART MATRIX-

師岡絵美里のブログです♪


2019年3月7日木曜日

執着とカルマ


ヨーガでは、執着から離れることを重要視します。

重要というよりも、必要と言ったほうがいいかもしれないです。

なぜ執着はよくないのか、という素朴な疑問のところこお答えすると、執着は苦しみの原因になるためです。

執着があると、その対象(物とか状況とか)を得られない場合は苦しみを生み、また執着したものを得てしまってもそれを失うことへの恐れや苦しみを持つことになります。

また執着は「物の見方(感じ方)」を偏らせてしまう原因になり、それによって悲しまなくていいことを悲しんだり、怒らなくていいことに怒ったり、苦しまなくていいことに悩んでしまいます。

物の見方や感じ方の偏りは、誰しもあるものですが、執着の強さや多さがその偏りを過度なものにすると、物事をありのままに見ることができなくなり、結果自分が悩んだり苦しんだりすることになります。

こういった事が、ヨーガにとってなぜ「障害」となるかの、それは「人生の仕事」を停滞させるからになります。

ここで言う「人生の仕事」とは、カルマの浄化です。

カルマとは過去(今回の人生だけじゃなく別の生も含む)に、自分が自由意志で行なった「行為」をさします。「自由意志」をどのように使ったかがそのカルマの質になりますね。


人の人生はカルマの浄化の場と考えられ、人にはそれぞれに、過去のどこかしらで自分がした行為の果実を受け取り、それを受け入れ、より清浄なものへと昇華させて終えていくという仕事があります。

運命論的に聞こえるかもしれないですが、先ほども述べたように、自分の自由意志で行為したものの結果なので、決定しているのはすでに為したカルマの質だけであって、それを受け取って「どうするか」は今生きている自分自身に委ねられています。

ですので現在の自分が、受け取ったものをどう扱うかというところに人生の意義が生まれたり、その人なりの心の徳性が問われるわけですね。

そしてそれは体を持って生きている間にしかできない仕事なので、やはり生きている間にそのことに気づいて、自分自身の行為から生まれた果実を浄化していく必要があると考えます。

執着に話をつなげると、「執着」から起こる心の苦しみに時間とエネルギーを注いでいると、この「カルマの受け取り」が遅くなるという停滞が起こります。

カルマはもうそこにあるので、あとは準備が整ったカルマが人生に姿を表せばいいのですが、私たちが何かに執着して苦しんだり力んだりしていると、準備のできたカルマが現れる事ができずに時間だけが経過します。

その間にも人は行為をするので新たなカルマを作り続け、どんどん浄化待ちのカルマが溜まっていく、というわけです。

カルマの浄化という人生における仕事をほったらかして、何か局所的な事柄(感情)に執着していると、人生の必要な「流れ」は停滞していきます。

流れのない水が淀むように、人生にも必要な動きがなくなると淀みが生まれます。
そして淀みは心に反映されて、不満や、生きにくさ、晴れない心を作っていくことになります。


こんな感じに、執着は色々なレベルで「停滞」を起こします。

もし何か一つでいいので、こだわって硬くなった欲を捨てる事ができれば、それはすごく小さな事であったとしても何かしらの「流れ」を起こし、自分自身の浄化の助けになります。

カルマとか言われると、何か罪滅ぼし的な印象がイメージとしてある人もいるかもしれないですが、カルマにもあらゆる質があり、純粋な喜びや何か素晴らしいことを反映したカルマだってあり、何かに執着して人生を堰き止めていると、喜ばしいカルマや素敵な事すらも堰き止めてしまいます。

もったいないとかそう言う次元でもないのですが、でも、もったいないですよね(笑)
幸福を経験する事も人生の大事な仕事。

自分から苦しむ必要はないし、苦しみの責任を何か(誰か)に転嫁しているその執着を捨てれば、人生は光の場になると思います。

喜びも幸福も、要はそれに執着しなければ、それも一つの浄化になりますね。


執着を捨てると時間が流れだす。
人生に動きがもたらされる。

これは、自分の経験上もすごく感じる事で、現状を受け入れる事であったり、なんとなくあてにしていたものを切ってみたり、変えないとなあと思っていたことを腰を上げて変えてみたり、または「変えたい」というこだわりさえも手放してみたりなど、その時々のケースは色々なんですが、不要なこだわりや欲を捨てると、何かが動き出して、何かが解ります。

そうやってひとつひとつ気づいていく事もまたヨーガの道のりであり、無知であった自分や、今もまだ途中でしかない自分に気づきながら、歩いていくのだと感じます。

この「カルマ」うんぬんのあたりを、これを読んでくださっているみなさんが受け入れる受け入れないは人それぞれでよく、みんながみんなこういった思想に納得するとは思っていませんが、インドやそこで生まれたヨーガではそういう風に考えるんだ、という知識としてでも知っていると、どこかで人生の役に立つと思います。

カルマは浄化しない限り着いてきますので、執着にエネルギーを使っている時間は、ないはずなんですよね。

そうはいっても大なり小なり執着を繰り返して生きている私たちには、やっぱり日々の「導き」が必要で、そういったわけで己の無知を認め、毎日聖典を読んでいます。




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